僕が英語を教えるようになったきっかけを書いてみます。
長文になりますが、お読みいただけると嬉しいです!
もくじ
その1:生い立ち~なぜか英語の道へ?
僕は元々英語が好きでも得意でもなく
多くの学生と同じように「受験に必要だから」やっていただけでした。
しかし、両親は「のちのち英語が苦手にならないように」ということで
子どもの頃に子ども英語ランドという教材を買ってくれたので
家で時々聞いていました。
英語の後にすぐに日本語で意味を言ってくれるという
今でいう「スピードラーニング」みたいな教材でしたね。
ECCに通わされたりもしましたが
そこで英語の上達を感じたか?と問われると
特別そんな感じもしませんでした。
英語とは関係ないかもしれませんが
母が自宅でピアノ教室を開いていたので
そこで自然と耳も育ったのかもしれませんね!
カラスの声マネが得意技です(笑)
中学の頃は英語もそこそこできましたが
高校に入って膨大な量の文法と単語が押し寄せてきて
模試に次ぐ模試…とにかく授業の予習と提出物で精一杯でした。
全然英語力が付いている実感もないまま、大学受験を何とか終えました。
僕はその大学に心理学を学びに行ったのですが
なぜかその学部は英語も専攻できるところで
学部生全員がレベルチェックのために
TOEICを受けなければいけなかったのです。
このTOEIC受験が僕の英語人生を大きく変えることになったのです!
その2:僕の人生を方向づけた先生との出会い
僕は初受験時では英語には興味が無かったので
特に勉強もせずに受験しました。
TOEICは『英語のスタミナ』を問われる試験です。
リスニング45分、リーディング75分の120分の間
集中力を切らさずに問題を解き続けるのは、すごく大変です。
僕はリスニングが終わり、リーディングに入ったあたりで
やる気を無くして寝てしまいました。
その結果は散々で…
なんとリスニング200点、リーディング130点、合計330点でした。
(990点満点です)
そのときある女子に
「あなたってもっと英語できると思ってたんだけどね(プッ)」
と笑われたんです。
ムッと思った僕は、その日の夜に
何となくNHKの英語番組を観てみたのです。
ちょうど第1回が始まる番組でした。
その番組に出ていた先生が
とてもユニークな切り口で文法を教えてくれる方で
「onは「上に」って丸暗記していたら
英語は使えるようにならないんだ!」
と語られていました。
僕は「なぜ?」の追求が好きな性格なので
その番組を見てみることにしました。
そこから僕の英語人生が始まったのです!
その3:学生の頃、こんな風に教えてほしかった!
その番組では、今まで学校で教えられてきた英文法に
明確な理由を教えてくれました。
学校の文法の授業では
これは「~的用法」で、こういうときにはこうなる
というような「決まり事」を羅列しているだけでした。
しかし、学習していると、そのルールに当てはまらないものが
どんどん出てきて、それを学校の先生は得意げに「例外だ」と言います。
学生の頃の僕は
I am happy.がSVCでI have a pen.がSVO。そんなこと考えなくても読めるんだし、5文型なんて勉強して何になるんだ?
と思っていました。
でも、そのテレビに出ていた先生は
「文法書に書かれている例文には心が宿っていない。文法を説明するだけに作られた文章は、その場で生身の人間が作り出したものとは質が違う。だから、血が通ったネイティブスピーカーの感覚を捕まえて、その気持ちをコピーすることで英語を自在に使えるようになるんだ」
と言われていました。
その話を聞いて感動した僕はその先生の本を買いあさって
読みまくってみることにしたのです!
その4:英語が研究の対象になる
文法書に書いてある文を読んだだけで
文法が分かった気になってはいけない。
大事なことは、その英文を脳内から生み出す
「ネイティブスピーカーの気持ち」を捕まえることだ!
…という真理を、僕はその先生から学びました。
その「気持ち」を先に捕まえることによって
- なぜ、疑問文は主語と助動詞は倒置をするのか?
- なぜ、「誰?」という疑問で使う単語と、人を表す関係代名詞が同じ「who」なのか?
- なぜ、現在完了形はhaveを使うのか?
- なぜ、丁寧な表現をする時に過去形を使うのか?
という、「知っているけれども納得しない知識」に「理由」が加わったことで
高校生時代にとても苦労していた文法書がスラスラ読めるようになりました。
文法書は間違ったことが書いてあるわけではありません。
ただ「血が通っていない」ために
どうしても覚えることが「作業」になってしまいがちなのです。
僕はこの先生に出逢ってから
英文法が「研究の対象」になりました。
僕は元々ことばに興味があったこともあり
自分が英語を使えるようになるかどうかというよりも
「英語という言語そのもの」に興味を持ったのです!
その5:ひたすら大学でTOEICの勉強をする日々
その先生の本を何冊も読んでいる間に
TOEICも継続して受験していました。
最初の330点から、次は445点、その次は580点と
着々とスコアアップしていったのですが、そこから伸び悩みました。
650点を取ることができれば
大学の2年生の授業を免除してもらえるので
そこからさらにがむしゃらに頑張り、650をゲット。
同様に730点を取ることができれば
大学3年生の授業を免除してもらえるので、そこでもゲット。
同時に図書券も大学から2万~3万円ほどもらった気がします。
大学の授業がつまらなすぎたので
TOEICのスコアで単位が欲しかったんです。
授業をボイコットすることは留年の危険性もありましたが
僕はあの時、自分の決断は間違ってなかったと思います!
空き授業の間は、図書館にこもって
ひたすらTOEICのリスニングのディクテーション(書き取り)をしていました。
この時期にリスニング力が鍛えられたと思っています。
塾講師のアルバイトをしていましたが
アルバイトが無い日は夜遅くまで図書館に残っていたことも
よくありました!
その6:もう一人の心の恩師との出会い
ちょうどそのころ
Amazonでとても高評価が付いていた参考書を見つけました。
その著者はNHKの先生とは真逆で
「全ての英文は明確な理由で説明できる」
と、どんな簡単な英文でも
全ての文法の解釈の理由を読者に求めてくるものでした。
この~ing形はどんな可能性があるか全て言え。
そして、それはなぜそれになり、その根拠はどこにあるか?
という押し問答のような参考書でした。
当時の英語教育の風潮は
返り読みなんてしているから速く読めないんだ!
ネイティブと同じように前からどんどん読んでいく
スラッシュリーディングがこそ大事なんだ!
などと言われている時期だったので
最初の先生と全く違うガチガチの英文解釈の方法に
僕も最初は面食らいました…!
しかし、1歩1歩読み進めて行くうちに
これが絶対に主語になるはずだ。なぜなら動詞が過去形だということがはっきりしているからだ!そして、コンマのあとに動詞が来るなら、ピリオドまではこういう文構成になっていないとおかしいんだ!
などと
「絶対こうなるはずだ、やっぱりそうだった」という
初めて見た英文でも「こういう意味にしかならない」という
絶対的な価値基準を手に入れたのです。
これが教員になってから
生徒に英語指導をする際に、大きな自信を与えてくれました。
その7:英検3級満点合格者を増やしたい!
この2人の先生に出会えたおかげで、僕は
【無味乾燥な文法書の奥に潜む、英語話者の気持ち】
【単語の羅列の中から、誤解なく英文の構造を読み解く力】
を得ました。
前者の見識は、僕に英文法全体の一つの道筋を示してくれました。
後者の見識は、高校生に教える際に確信を持って指導できるようになりました。
どちらの見識も僕の英語教員人生に欠かせないものでした!
一度「英文の読み方」というものを身に付けてしまえば
あとは単語・熟語を覚え何度も英文を生み出す練習をすれば、力は伸びて行きます。
逆に言えば、それが出来てないのにフレーズばかりを詰め込んでも
知っている単語が口から出てこない…!
あんなに勉強したのに実践じゃ何の役にも立たない…!
などと自信を失うだけになってしまう可能性もあります。
僕はここの核になる力を多くの人に伝えたいのです。
あとは「知識を入れて練習すれば良いだけ」というところまで行ければ
あとは自力で伸びて行ける。でも、その手前で挫折してしまう日本人が多すぎるのです。
僕の中で、その「自力で伸びて行ける力」を持っているとする
一つの基準が【英検3級満点合格】なのです!
その8:knifeを用いた例文
ネイティブスピーカーの英文法がどういうものなのか、例を挙げましょう。
日本人の英語学習者なら「knife」という単語を知っている人は多いでしょう。
この品詞を問えば、十中八九「名詞」と答えるでしょう。食事で使う「ナイフ」です。
しかし僕は高校生の指導中に
「to knife someone」というフレーズに出会いました。
以下、僕が脳内で考えたことをざっと文字にしてみます。
ナイフへ…誰かだって?こんな風に単語が並ぶはずがない!名詞が2回連続で来るのは修飾関係になるときだけだ!じゃあ、この文が間違いかというとそういうわけではない…ということは、自分の読み方が間違っていることになる。では、このtoが前置詞ではなく不定詞を表すtoだとしたら?そうなると、このknifeは名詞ではなく動詞として読むことになる。動詞の後ろに名詞が来る場合、基本的にはその名詞に「影響を及ぼす」という関係性で読まなければならない。ナイフが誰かに影響を及ぼす…つまり『刺す』という意味になるんじゃないか?
脳内思考ということで、あえて敷き詰めて書いてみました。
読みにくいですね(笑)
文字で書くと長いですが、ここまで考えるのに3秒もかかっていません。
そして、その推理は合っていたのです!
その9:「ググる」という表現は英語にもある!
もう1つ例を挙げましょう!
日本語は「る」を付けると動詞になり
「い」を付けると形容詞になります。
英語は「てにをは」…つまり「助詞」という概念が無い言語です。
その代わりに何で意味を判別するかと言うと…それが「語順」なのです。
世界的に有名な検索エンジンの
Google(グーグル)という会社がありますよね。
日本人は、この会社名に「る」を付けて
「ググる」という単語を編み出しました。
「グーグルで検索をする」という意味なのですが
初めはなじみが無くても「そのくらい自分でググれ」などと
命令文で言われれば、雰囲気で理解出来たりしますよね。
それは、僕たち日本人が
「~る」と読む単語は基本的に動詞として読む
という、言語感覚が身に付いているからなのです。
そして、英語でもこれと同じ現象があるのです。
英語なら
「動詞の場所に書けば、その単語を動詞として読む」
ということが決まっているので
Please ( ) it.
という文の( )の中にあGoogleを入れれば
Please Google it.
(それをググってください)
となります。
難しく感じたかもしれませんが、例えばloveだって
My love is forever.
と書けば「愛」という名詞になり
I love you.
と書けば「愛する」という動詞になりますよね?
学校では習わない使い方だと思いますが
これがネイティブスピーカーの英文法力なのです!
その10:もう一度、真剣に英語をやってみませんか?
大人になって英語の話をすると
ほぼ全ての人が「英会話」と言います。
「英文読解」なんて、受験の時にしか
聞かないのではないでしょうか?
世間も英会話スクールが乱立していますよね。
書店に行けば「今度こそ話せる!」という本がたくさんあります。
立ち読みしてみると、どれも魅力的なことがたくさん書いてあります。
「これで今度こそ話せるようになるだろうか…?」
という、甘い気持ちでレジに持っていく。
家に帰って、ちょっと読んでみる。
ちょっと練習してみる。
そして、そのうちに本を買ったことすら忘れてしまう…
これが、多くの人の陥る失敗パターンです。
そして、また新たな本を買いに行くという無限ループです。
「どうやって英語を身に付けたんですか?」
という質問英語ができる人にすると
僕が考える回答は2パターンです。
1.めちゃくちゃ勉強したからです。
2.海外で生活していたからです。
1の回答を聞くと
「そりゃ、それだけやればできるよね…でも、そんなに時間はかけられないの!もっとスムーズに上達できる方法は無いのかな?」
と考え
2の回答を聞くと
やっぱり留学しないとダメなんだな…でもそんな時間もお金も度胸も無いしな…
と考え
どちらのパターンも、淡い夢を抱いて書店に吸い込まれて行くのです。
僕は、この流れを止めたいんです。
「あとは自分だけで伸びて行ける!」という基本を伝えられれば
日本人の英語力は格段に変わるはず!
その想いで、英語を教えています。
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